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駿太のこだわりクッキング② カレー

19 2月 2020
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カレーの魔力に憑りつかれる…

ここのところ急に雨が降ったりやんだりしています。寒さも和らぎ、もう春の到来でしょうか。
新型コロナウィルスの感染が世界各地で拡大していますね。フランスでの確認症例は11例に留まっており、数字上は対策できているような印象を持ちます。航空便についてはエールフランス航空の中国便は全便欠航していますが、それ以外の航空便は運行しているようです。それにも関わらずパリやヴェルサイユのフランス人たちは誰もマスクをしていません。それどころかアジア系の人(多分中国人)のマスク着用率はむしろ依然より減った印象があります。単純に中国からの観光客が減ったのか、それとも差別を恐れて敢えて着用していないか。もしそうだとしたらフランス人たちも既に保菌者ということに気づかぬまま拡散し続けるというかなり危険な状況になりますね。
中国人か?と聞かれ日本人だと答えると安心されるという話をちらほら聞きますが、日本の方でも対策を頑張ってもらわないとこのままではいずれ日本人も隔離、差別の対象になってしまうかもしれません。政府には頑張ってほしい所です。

さて、今回は駿太のこだわりクッキング第2弾、カレーをご紹介したいと思います。
前回のペペロンチーノの投稿では意外にもいろいろな方から好評を頂きました。「今度作ってみる!」と言って下さる方もおり、嬉しい限りです。
今回のカレーのレシピを研究した経緯ですが、まずフランスでは日本と違い「カレールウ」なるものは売っておらず、代わりにスーパーマーケットの一角には必ずスパイスコーナーがあり、ありとあらゆるスパイスやハーブが売られています。こちらに来てから数か月経った頃、そろそろカレーが食べたくなってきたので意を決してスパイスを買うことにしたのですが、まず何のスパイスを買ったらいいのか分かりません。色々調べた結果、「東京カリ~番長」さんのこのレシピにたどり着きました。
https://www.hotpepper.jp/mesitsu/entry/tokyocurrybancho/17-00121
たった4種類で良いとは、何ともお手軽じゃないですか!日本ではカレールウを使ってしまう場合が多いと思いますが、こんなに手軽ならスパイスカレーをやらない手はないですよ!
ということで早速4つのスパイスを買ってきて、これを基にカレーを作りました。
これが…旨い!!!いわゆる日本の「お母さんが作るカレー」とは全く別物の、実に味わい深いカレーができました。最も日本で市販されているカレールウは専門家たちによりたくさんのスパイスや調味料が調合されているので、こちらの方が味わい深いはずなのですけどね。スパイスの種類を増やせば増やすほど、味としては輪郭がぼやけた特徴のないものになっていくようです。あとおそらく指定の水量が多すぎます。
そんなわけでこのレシピで基本的には満足だったのですが、そこは駿太のこだわりクッキング、徐々に改変を始めました。
以下改変点とレシピを書きますが、まずは「東京カリ~番長」さんのレシピに沿って一回作ってみて下さい。前回のペペロンチーノ同様、基本をしっかり固めてそこから発展させていくことが大事だと思います。あとスパイスの配合については完全に趣味の問題ですので、作り手によりいくらでも改変の余地があります。

【改変点】
・たまねぎを切る際、写真では根の部分を残してそこに包丁を入れるように紹介されていますが、根は不潔であることも多いので茎(根より内側にあり硬く捨てる部分)を残しながらぎりぎり根だけを落とすようにすると、みじん切りをする際に同じような手法を採ることができます。
・カレーを作る上で、如何にたまねぎの甘みを引き出すかが重要であると思っています。検討した結果、電子レンジで加熱した後に炒めると良いことが分かりました。
・香菜をいちいち買ってくるのが面倒なので、乾燥ハーブに置き換えています。
・トマトピューレーをトマトケチャップに置き換えています。ケチャップには通常いくつかの調味料が加えられていて、カレーのコクを出すのに有用だそうです。「東京カリ~番長」さんの他の記事でもケチャップの代用について言及していますが、トマトピューレーの場合の半分の量にすると良いとのこと。確かに入れすぎるとケチャップ味になってしまいます。
・スパイスの配合はクミンとターメリックが多め、チリペッパーはやや少なめに調整しています。クミンは個人的な趣味ですが、ターメリックはカレーの色を出すためのスパイスなのでやや多め、チリペッパーは入れすぎるとただ辛いだけで他の味がかき消されてしまうので少なめから調整していくのが良いと思います。
・4種のスパイスと塩を1つずつ器に出し個別に入れるよう紹介されていますが、1つの容器に入れてよく混ぜた上で加えた方が味の偏りがなくなると思います。
・個人的な趣味で鶏肉を牛肉に置き換えています。ヨーロッパの肉は臭みが強いので、塩、黒胡椒、ナツメグ、赤ワインで下処理を行います。
・個人的な趣味で大豆(フランスでは白いんげん豆で代用)、グリーンピースを加えています。
・煮込む際にローリエを投入します。

それでは以下レシピです。「東京カリ~番長」さんのレシピから改変のない場合は記述をそのまま引用します。

・材料(駿太の2食分、おおよそ3人前)
牛すじ肉:100g
玉ねぎ:小2個
大豆(または白いんげん豆)の缶詰:1/2、120g程度
グリーンピース:70g
トマトケチャップ:大さじ2
クミンパウダー:大さじ山盛り1(駿太は粉末と種子そのままのものを半分ずつハイブリッドで調合しています)
コリアンダーパウダー:大さじ1
レッドチリパウダー:小さじ1(多少少なめから調整)
ターメリックパウダー:小さじ山盛り1
にんにく:2片(10g)
しょうが:1片(16g)
塩:小さじ1(牛肉の下処理用と玉ねぎの脱水促進用は分量外)
黒胡椒:少々
ナツメグ:少々
赤ワイン:小さい器で牛肉が浸る程度
水:500cc
乾燥ハーブ(Herbes de Provence):大さじ3程度(お好みで調整)
砂糖・少々
調理油:大さじ3
ローリエ:2枚

・作り方
①牛肉を細かく切り塩、黒胡椒、ナツメグを振りかけながらすりこみ、赤ワインに浸しておく。
②玉ねぎをみじん切りにし、ラップをかけて電子レンジで6分加熱(我が家のレンジのスペックが未だに分かりません)。
③フライパンで調理油を強火で熱し、玉ねぎ、乾燥ハーブ(分量の半分)、塩4つまみを加えてアメ色になるまで炒める。途中で水100cc程度(分量外)の差し水をする。
④にんにく・しょうがを加え、青臭さがなくなるまで中火で炒める。
⑤トマトケチャップを加え、水分がなくなるまで炒める。
⑥火を弱めパウダースパイスと塩を加え、よく混ぜながら1~2分炒める(ここで「カレーの素」が完成)。
⑦①で用意した牛肉を赤ワインごと加え、「カレーの素」と絡めながら肉の表面が色づくまで中火で炒める。「カレーの素」が焦げないよう、最初は「カレーの素」をフライパンの片側にかき寄せ、もう一方で肉を炒めると良い。
⑧大豆(白いんげん豆)、グリーンピース、水、ローリエを加え、強火でしっかり沸騰させる。水は若干少なく入れておいて、足りなければ後から足す。
⑨弱火にし、ふたをしないで15分程煮込む(途中何度かかき混ぜる)。
⑩乾燥ハーブ(分量のもう半分)を加え、よく混ぜ合わせながら煮込む。
⑪砂糖を加えしっかり混ぜ合わせたら、塩味を調えて完成。

ポイントは「東京カリ~番長」さんの書いている「玉ねぎ炒めは強火でしっかり!」「煮込むときは弱火でじっくり!」「水も塩も後からでも足せます」が重要です。玉ねぎの焦げについては多少は気にしないと書かれていますが、やはり限界を超えてしまうと苦くなるのでギリギリを攻めましょう(笑)。
スパイスの調合については、趣味に合わせていろいろ研究してみて下さいね。そうしていくうちに、皆さんもきっとカレーの魔力に憑りつかれることでしょう。

次回は現在参加しているアンサンブル「サン・ジョルジュ・コンソート」の演奏会の模様をお伝えします。

駿太のこだわりクッキング① ペペロンチーノ

29 1月 2020
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ニンニクの香ばしい匂いがたまらない

今週、パリ交通公団RATPの最大組合Unsaが無期限ストライキ終了を発表しました!!!パチパチ~。パリの交通機関や近郊電車はとりあえず通常運行に戻るようです。
結局政府からは年金制度改革についての譲歩は引き出せず、1か月超のストライキ中無給だった労働者がついに耐え切れなくなり折れた格好。一方でフランス国鉄SNCFの組合は譲歩を引き出すまで終了しないとなお強硬姿勢の様子。いつまでやるんですかねー。
ちなみに国鉄が運行しているはずのRERの一部やTransilienは通常運行ということです。

中国で発生した新型肺炎が現在猛威を振るっていますね。フランスではヨーロッパで初めて感染者が確認され、現在は3人となっているようです。旧正月の春節を迎え日頃に増して中国人旅行者が増える中、ヴェルサイユは日頃から中国人ばかりなので増えているのか減っているのか良く分かりませんがとりあえず彼らはたくさんいます(笑)。演奏会の際以外はなるべく宮殿には行かないようにしようと思っています。
厚生省がマスクの着用を推奨しているので私も先週からマスクを着用し始めました。ところが街中はおろか、宮殿でもマスクをしている人はほぼ中国人(に見えるアジア系の人)だけです。せめて宮殿のスタッフくらいは着用したらどうかと思うのですが、私が見た限りではスタッフは1人しかマスクをしていませんでした。フランスではマスクの着用が一般的ではなく、マスクをして街中を歩くと何かの重篤患者かと思われて変な目で見られるという話を聞いたことがありましたが、実際着用して出かけてみると挨拶がなかったり周囲の人が離れて行ったりと、やはり反応が違いますね。厚生省にはもっと強く着用を勧めてもらいたいものです。パリやヴェルサイユにはあれだけの中国人が来るのですから、中国に渡航歴のない感染者が出るのももう時間の問題かと思います…。
状況が変わりましたらまた随時発信していきます。

さて、今回は「駿太のこだわりクッキング」ということで、第1回目はペペロンチーノを紹介します。
日本での学生時代は小中学校の調理実習くらいで料理はまったくやっていませんでしたが、留学生活をするにあたり自炊する練習をしようということで母から手ほどきを受けて一昨年の4月あたりから少しずつ佐藤家の食卓を担当するようになり、最後の7月あたりには殆どの夕食を私が作るようになっていました。
最初は幼い頃から食べてきた母のレシピに基づく料理を作っていましたが、次第にクックパッドなどを参照しながら新たな料理を作るようになりました。今まで料理は面倒なものだと思っていましたが、やってみるとこれがとても楽しいんですね。選んで買ってきた食材がだんだん自分のイメージに近づいてくる過程、加熱や調味料のさじ加減1つで味が変わってしまう奥深さ。私の師匠たちを始め良い音楽家は大抵料理が上手である理由は、料理が音楽と似ているからなのだなと思いました。
さてそんな中ヴェルサイユに来て数か月経った頃でしょうか、大分フランスで安くて美味しい食材が分かってきたところで私には食べたいパスタがありました。ペペロンチーノです。ちょうど知り合いから譲ってもらった鷹の爪もあって、クックパッドを見ながら早速作ってみました。しかしできたのはイメージとはかけ離れたイマイチな代物。ニンニクの味わいもないし、なんだか水っぽいし、もう全然だめでしたね。そこから数週間というもの、どうにかイメージに近いペペロンチーノができないものかと作り続けました。最盛期には週4回くらい作っていましたね。その頃通っていた語学学校にイタリアンシェフの友人がいたので上手くいかない点を相談したりもしました。彼女曰く「シンプルなだけにはっきり料理の腕が出る難しい料理」だそうです。
あと上手くいかない原因はフランス特有の簡易キッチンにもあり、我が家にはコンロはなく旧式の電熱調理器が大小1つずつあるのみです。当然ながら電熱調理器は火のように急に点けたり消したりできないので、タイミングを誤るともうどうにもなりません。この点もかなり考えて、それでも何とか調理器1つのみで上手く調理する方法を編み出しました。
プロは「ソースの出来上がりをパスタの茹で上がりにぴったり合わせる」そうですが、私は調理器の問題もあり先にソースを作っておいて途中で中断し、その間にパスタを茹でて再度加熱する方法を採っています。
長くなりましたが、以下レシピです。

・材料(1人前)
ニンニク 大きければ1かけ、小さければ2かけ
鷹の爪(乾燥唐辛子)3/4 ※大きさにもよりますが1本だと辛すぎることが多いです
オリーブオイル 大さじ2.5(約40ML)程度
パスタ 120g
粉塩 湯1Lあたり大さじ1
黒胡椒 少量

・作り方
①ニンニクを半分に切って芯を取り、縦に2つ切り込みを入れた後スライスする。
②ポットでパスタを茹でるための湯を沸かし、鍋に塩を入れておく。
③フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れ中火(我が家の電熱調理器では火力6段階で4)にかける。
※ネット上の多くのレシピには「とにかく弱火で!」と書いてあることが多いですが、試した結果中火程度でも良いと思います。ただし⑤のタイミングはシビアになります。
④ニンニクの周りが泡立ってきたら鷹の爪のヘタと種を取り、調理ばさみで輪切りにして入れる。唐辛子が太い場合は縦に切ってから輪切りする。電熱調理器の場合はこの後パスタを茹でるために最大出力へ上げる。
※唐辛子は焦げると苦くなるので注意が必要ですが、あまりに投入が遅いとオイルに辛味が移らないので注意が必要です。

オリーブオイルにニンニク、唐辛子を入れた状態

⑤ニンニクの縁が1つでも茶色くなったら(慣れてきたらその直前を見極めて)引き上げ、湯を注いだ鍋を代わりに強火にかける。
⑥塩が完全に溶け切るように菜箸で混ぜ、パスタを投入する。タイマーは指定分数分セット。
⑦茹で時間が残り2分になったら鍋を引き上げて残り時間は余熱で茹で、代わりにフライパンをやや強火にかける(電熱調理器の場合はここから次第に弱くなっていくよう1段階落とす)。この段階で余熱によりニンニクが少し色づいている程度であれば成功、完全にフライになってしまっているようなら⑤のタイミングを早くする。

乳化が完了した状態、今回の出来は70点というところか

⑧フライパンが熱を帯びてきて、ニンニクが少し泡立ち始めたらオリーブオイルと同量かやや少ない程度のゆで汁を、フライパンをゆすりながら少しずつ入れて乳化させていく。最初にゆで汁を入れたときに油が少し跳ね、ゆすった時にシャーという音がするくらいまでフライパンを熱すると成功しやすい。オイルがゆで汁と良く混じり、白濁すれば成功。ゆで汁がオイルより多いと確実に失敗する。
⑨乳化が完了する頃合で茹で時間を迎えるので、湯切りをしてフライパンに投入する。
⑩火を止め、菜箸で手早く混ぜ合わせさらに乳化を促進させた後、器に盛る。器はやや深さのあるものを選ぶとよい。
⑪黒胡椒を表面にうっすらとかけて完成。かけ過ぎると味が大きく変わってしまうので最後まで気を抜かないように。

味のイメージとしては食べた時に塩、ニンニク、唐辛子、オイルのそれぞれの要素が強く拮抗している状態が理想です。全体的にそれぞれの
主張が弱かったり、ある要素が突出してしまったりしていたら改善の余地ありと言えるでしょう。
あとできれば食べ終わった後、器にあまりオイルが残らない程度にオイルとゆで汁の量を調整できるとなお良いと思います。
特に乳化の工程は難しいので、納得のいくものができるまで何度も作ってみましょう。なおこのレシピではニンニクと唐辛子はそのまま具になっていますが、途中で取り出す方法もありますのでそこの辺りはお好みで。
基本がしっかりとできてしまえば、その後でトッピングを入れたりアレンジを加えても良いと思います。私は目下キャベツ入りのアレンジを研究中です。

ちなみに私は代謝が非常に良くて少し唐辛子を食べると大量に汗をかくので、食べた後はすかさずシャワーを浴びなければならなくなります(笑)。汗をかかないように唐辛子を減らしたこともありましたが、それだとやはりあまり上手くいきません。余談でした。

今回は駿太のこだわりクッキング第1回でした。レシピを文章で書くのは初めてなのですが上手く伝わっているでしょうか。
次回は趣向を変えて、最近社会のあることについて思う独り言を書いてみます。興味があれば読んでみてください。