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オディール・エドゥアール女史のマスタークラス

2 7月 2020

ここ数日間はやや涼しくなりましたが、先週は快晴で気温が30度を超える日もあり、いよいよ夏本番かというところです。
先週の金曜日にはパトリックのレッスンがあり久しぶりに音楽院に入りましたが、入り口には消毒ジェルが設置され当日レッスンを受講する生徒かどうかを名簿でチェックしており、学校での自主練習は当分できないのだそうです。アンサンブルの授業も今期はもうないようで、このままおさらばという人も多いのではないでしょうか。
またヴェルサイユ宮殿の庭園では先週から9月まで毎週土曜日の夜に花火大会が行われ、夜10時頃になると破裂音が私の家まで聞こえてきます。私が来週から出演予定の夜会の方も無事に第一週目を終えたようです。

さて今回は土曜日に行われたオディール・エドゥアールOdile Edouard女史によるマスタークラスの模様をお伝えします。
オディール・エドゥアール女史は長年にわたりリヨン国立高等音楽院のバロック・ヴァイオリン科で教鞭をとっているフランスでも高名な演奏家、教育者です。日本人で現在活躍しているバロック・ヴァイオリニストでもオディール門下の人は多く、当アンサンブルでもお馴染みの出口実祈さんもその一人で、彼女のこの数年間の急激な成長と活躍ぶりはオディールなしには語れないでしょう。
そんな出口さんからオディールがパリでマスタークラス(Mini-stageということでしたが実際はマスタークラスでした)を開くという話を聞き、すぐに参加を申し込みました。今回は完全無料ということでかなりの希望者がおり、本来25日木曜日だけだったはずが土曜日も開催され、私は2日目になりました。
テーマはルクレール、ギユマンなどを中心にフランス18世紀前半のヴァイオリンデュオまたはソロ作品ということで、私はヴァイオリンの知り合いとはどうにも都合がつかなかったのでチェロの知り合いにバスを頼んで、モンドンヴィルの『倍音によるソナタ』作品4のソナタを持っていきました。
ノースリーブのワンピースにサンダルの出で立ちでアクティブな感じのオディール。話してみるととても親切で包容力のある雰囲気がすぐに伝わってきました。教育者にはぴったりの性格といったところですね。
私のレッスンでは主に音色や表現の違いをもっとはっきり出すということ、それを一緒に弾く人に演奏の中で強く主張していくということと、肩の力を抜いて右手をしなやかに扱うことなどを指摘していただきました。いずれも長期的な課題ですね。特に右手の技術やエクササイズについては後のレッスンでも度々話題にしていて、とても参考になりました。
他の受講生はこの日は全員デュオで、ルクレール、ギニョン、ギユマンを聴くことができました。数人見かけたことがありおそらくパリ地方音楽院の生徒が多かったのだと思いますが、まあ個々のレベルはピンキリといった感じですね。
終盤あたりから聴講生に対して、この曲の発想記号(アレグロやアンダンテなど)は何かというクイズコーナーがありましたが、正解するのはかなり難しかったですね。即ち聴き手が事前に知らなくても曲のテンポや表現から作曲家の指示を読み取れるように演奏しなければならないということです。
最後にお礼とお別れの挨拶をした時に「一緒に弾く人に自分のやりたいことをしっかり主張してね」と念を押されました(笑)。頑張ります…。

次回は今年こそは夏を快適に過ごしたい!ということで私の2年目の猛暑対策をご紹介したいと思います。

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