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フランス南西への旅③バイヨンヌ、ポー編

13 11月 2019

非常に高い天井を持つサント・マリー大聖堂

今週から今年度のオーケストラプロジェクトや王室礼拝堂の木曜演奏会が動き出しました。9月にこちらに帰ってきてほぼずっと一人で練習していたので、やはりオーケストラや合唱はいいなとつくづく思いながら弾いています。

さて今回はフランス南西への旅最終回、バイヨンヌとポー編です。
この日は祝日の11月1日でしたので博物館系は軒並み休館。滞在時間もあまり取れなかったのでざっと見るにとどめました。
バイヨンヌは古くから軍事的に重要な拠点となっていて、町は城壁と城塞、2つの川によって防御の構えを見せています。支流のニーヴ川を挟んでシャトー・ヴュー(古い城)がある方をグラン・バイヨンヌ、シャトー・ヌフがある方をプチ・バイヨンヌと呼びます。2つの城は古い方が11世紀、新しい方が13世紀と何れも古い城ですが、あくまでも防御のための要塞であって飾り気のない無骨な外観となっています。内部は双方とも公開していないようです。
グラン・バイヨンヌにあるサント・マリー大聖堂は見どころの多い聖堂です。13世紀から建築が始まったゴシック聖堂ですが、特筆すべきはその天井の高さ。掲載の写真で見ていただければお分かりの通り、何だか縦に引き伸ばしたように見えますが特に写真の加工はしていません。祭壇の後ろの各聖堂部分は他と打って変わって美しい彩色が施されていますが、あまりどぎつくなく繊細な感じに見て取れます。
外観は周囲に民家が建っていて中々きれいに全景写真が撮れないのですが、西正面は2つの鐘楼を備え、正面入り口部分が張り出した構造になっています。扉の周りには彫刻を削り取った跡が見られ、特に説明書きはありませんでしたが意図的に破壊されてしまったのだなと理解できました。入り口の左右には渦巻の形にデザインされた窓があります。こんな形は初めて見ましたね。南側には方形の大きな回廊があるのですが、祝日のためか入ることはできませんでした。
大聖堂から南へ住宅街を少し歩くと、「古い肉屋の塔」があります。ローマ時代の見張り塔を再利用したものだそうで、私はローマ遺跡がとても好きなので行ってみましたがただの円形の塔でした(笑)。
大聖堂周辺のグラン・バイヨンヌの家々は白い壁に色とりどりの柱が露出した古いもので、素朴でどこか懐かしいような印象を受けます。
最後にカズナーヴというショコラティエの喫茶コーナーで有名なショコラ・ムスー(泡立てココア)をいただきました。1854年の創業以来伝統的なチョコレートの製法を守り続けているそうで、ココアもやや苦みと酸味の強い独特な味でした。でもとても美味しかったですよ。
他にもプチ・バイヨンヌのニーヴ川沿いにはバスク地方の歴史や文化を紹介しているバスク博物館があるのですが、例によって休館でした。開いていたら是非入ってみたかったところです。

川越しに見ることができるポーの城

バイヨンヌからアンテルシテ(特急)に乗車し約一時間、最後の目的地ポーの街を目指します。乗車したアンテルシテは客車列車ではなく固定編成の電車列車でした。近郊電車だけでなく特急も客車から電車への転換が進んでいるのですね。
ポーはブルボン朝を創始したアンリ4世の生誕地で、ピレネー山脈を望む眺望が楽しめる街としても有名です。国鉄の駅は市街地より幾分低い土地にあり、駅前から無料で乗車できる緑の車体の可愛らしいケーブルカーがありますが行程上必要なかったので乗車しませんでした。ケーブルカーで行き着くことのできるピレネー大通りからはピレネー山脈を見ることができますが、天気が良くないとあまり綺麗に見えないのかもしれません。それでもとにかく山脈は遠くにあるので、雄大な景色というのではないのだと思います。
まずは散策がてら地図上でボーモン宮という建物を見つけたので行ってみましたが、1900年に建てられた冬の別荘だそうで、現在は集会等に使われているとのこと。バロック調で外観は美しいですが19世紀以降の建物ということでいつも通りスルー。
城にほど近いサン=マルタン教会と少し北方にあるサン=ジャック教会はいずれも古くからあった聖堂を取り壊して19世紀以降に再建されたものでした。
さてアンリ4世が生まれたという城、祝日のため休館だろうと思い最後に外観のみ見ようと思っていたのですが、行ってみると中から人が出てくるではありませんか。開館していたのか、ラッキー!と思い入館しようとしたらもうすぐ閉館すると言われてしまいました。ちゃんと確認すればよかった!!!残念。
まあそれでもフランス革命時に内部は荒らされ、ルイ=フィリップ王やナポレオン3世によって大規模な改築が行われてしまったのでアンリ4世時代を偲べるものは殆どないとのことですが。
少し時間があったので川越しに橋と城を見ることができる地点に行ってみましたが、うーん、夕方でかつ曇り空の景色は何だかちょっと今一つ。川霧が出ていたのは綺麗でしたけどね。

この後再び電車のアンテルシテで約3時間、乗り換えのためにトゥールーズへ行きました。次に乗る寝台特急との兼ね合いで1等車の切符を買いましたが、2等車の座席と大して変わりませんでした。ぼったくりやなこれ(笑)。
トゥールーズでは1時間乗り換え時間があったのであの美しい街並みをもう一度見たいと思い、市庁舎やサン=セルナン・バジリカ聖堂へ赴きました。昨年、フランス国内旅行で初めて訪れた街でしたが、個人的には未だに最も好きな街であり続けています。詳しくは過去の記事をご覧くださいね。
最後は寝台特急アンテルシテ・ド・ニュイに乗車。前回の2等車3段寝台は座るには少し辛かったので、今回は1等車2段寝台にしてみました。夜行列車は何度乗っても良いですね。

以上、全3回に渡ってフランス南西への旅をお届けしました。来週はついに!パリのサント=シャペルとコンシェルジュリーのレポートをお届けします。もう行ってきたので大丈夫です(笑)。


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