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ヴェルサイユ地方音楽院のオープンキャンパス

23 10月 2019

今年工事が完了したヴェルサイユ地方音楽院のホール

昨日は天皇陛下の即位礼正殿の儀が執り行われましたね。私もネットの動画で観ましたが、日本の伝統に誇りを感じることのできる厳かな儀式に見えました。
こちらの方はというと、2週間のバカンスに入りました。去年も全く同じことを思ったのですが、始まって早々バカンスというのは何だか出鼻を挫かれるような感じがするんですよね…。

さて今回は先週行われたヴェルサイユ地方音楽院のオープンキャンパスについてご紹介します。
オープンキャンパスでは14日から18日まで連続5夜、各科の演奏による演奏会が行われました。全部は把握していないのですが、少年少女による合唱やダンスなど幼少教育部門も参加していたようです。
この演奏会は音楽院の正面奥にあるオディトリウム(ホール)で行われました。昨年はずっと工事していた建物で、私は今回初めて演奏に使用しました。古楽には響きも雰囲気も音楽院のアパルトマンの方が良いように感じましたが、照明設備も完備された綺麗なホールです。
私は第一夜と第五夜に参加しました。第一夜はミシェル=リシャール・ドラランド作曲の「ヴェルサイユの噴水」のごく一部を上演。指揮は師匠パトリックです。楽隊の編成はあまり大きくありませんでしたが、ヴェルサイユ・バロック音楽研究センターからは今年からの新メンバーを交えた歌手たちが参加し、相変わらず素晴らしい演奏をしてくれました。リハーサルは当日の午後、2時間程度やった後にホールで通しリハーサルをしたのみ。当日リハーサルで本番というプロジェクトは初めての経験でした。面白かったのはアンコール用に歌詞を差し替えたこと。ルイ14世に向けられた「最高の偉大さに敬意を表そう」を「このオディトリウムに敬意を表そう」と「クロード・ドビュッシーに敬意を表そう」(このホールがドビュッシーの名を冠しているため)に差し替えて歌われました。燦然と輝くルイ14世賛歌の音楽にドビュッシーの名が登場したのです(笑)。
第五夜はマラン・マレのトリオの一部を演奏。ヴァイオリンはパトリックと私のみ、他はリコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ギターとパーカッションの先生が当日合流しました。この先生とは今回初めてお会いしましたが、リハーサルで2回ほど通しただけで見事にパーカッションを付けてくれました。
ホールの規模はそう大きくはないので200人程度の収容力ですが、2夜とも満席だったと思います。

来週はフランス南西への旅、まずはボルドー編です。

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