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パリ・シテ島編②ポンヌフ

16 10月 2019

名は新橋でも今は最古の橋

今回は先週に引き続きシテ島についてのお話なのですが、ここで皆さまにお詫びです。
サント・シャペルとコンシェルジュリー、もう少し延期させてください!
というのはですね、今度こそ入るぞと思って意気揚々とサント・シャペルの入場列に並んだわけなのですが、ふと「11月からの第一日曜日は無料」の看板が目に留まったんです。そうだ、今日なら学生料金でも8€だけど来月の第一日曜日に来れば無料じゃないか!

…という経緯があったので、今回はシテ島にかかる有名な橋、ポンヌフについての紹介です。
ここはアヴィニョンの橋のように入場料はとりませんので(笑)。

ポンヌフはシテ島の西側に架かり、パリ右岸と左岸をつなぐ今も昔も重要な橋です。ポンヌフとは「新橋」という意味ですが、1578年にアンリ3世の手によって起工され、1607年に竣工した現在のパリでは最古の橋となっています。石造りの頑丈な橋で基本構造は竣工時から変わっていません。フランスには「ポンヌフのように丈夫だ」ということわざがあるそうです。
橋は右岸からシテ島の部分(7つのアーチ)とシテ島から左岸の部分(5つのアーチ)の2つからなっていますが、シテ島の陸地部分のアンリ4世騎馬像周辺も同一の意匠となっています。側面には怪人面Mascaronと呼ばれる怖い形相をした男の顔の装飾が等間隔に延々と続いていて、一つとして同じものはないように…思えます(確認はしていません)。これだけ見ていても結構楽しいですよ。
橋を実際渡ってみると、なるほど現役の橋だなあという感じなのですが、その幅の広さに注目してみてください。現在の道路部分は自動車道路の片側2車線くらいの広さはあります。大型観光バスも余裕で通過。それでいて左右の歩道部分もとても広く、ストリートミュージシャンがいても困らないほど。橋脚部分には半円形のベンチになっている休憩スペースもあります。いやそんなに長い橋じゃないですけどね…。こういった幅の広い橋の設計が、頑丈さと相まって後に架け替えられたり改造されることなく現在まで残った理由の一つでしょう。
またこの橋はパリの中心部にあるだけあって、様々な事件の舞台や芸術作品の題材になってきました。そのような事に思いを馳せてみるのも良いでしょう。

最後に、この橋はシテ島を挟んで2つの部分からなる橋だけあって、全景を良く眺められる場所は非常に限られてきます。お勧めは西側に架かるポンデザールの中央付近から見ること。今回の写真もここから撮影しています。でもここからではどうしても少し遠くなってしまうので、間近で見たいなら河岸の歩道から観察すると良いでしょう。

次回は今週行われているヴェルサイユ地方音楽院のオープンキャンパスを紹介します。

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