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イヴリヌ県庁での滞在許可証更新手続き

24 7月 2019

ヴェルサイユのイヴリヌ県庁

日本に帰国してきて数日が経ちました。まだ梅雨が明けていないことには少し驚きましたが、久しぶりのはずの日本の電車やコンビニなど、案外昨日のことのようでした。
羽田空港に着いて最初に思ったのは、日本はどこもとにかく清潔。これはパリはおろかヴェルサイユでもあり得ないなと思いました。フランス人からしてみればもっと驚くことでしょう。
一方フランスに一年居て、唯一日本のものが恋しいと思ったのが鉄道。一か月程度滞在するので、鉄分を十分に補給したいなと思います。

さて、今回はヴェルサイユのイヴリヌ県庁で行った滞在許可証の更新手続きについてお伝えします。
私が住むヴェルサイユ市はパリに近いですが行政上はイヴリヌ県の管轄なので、パリ市の警視庁で行う更新手続きとは多少異なる点があると思います。この記述を参考にされる方はご了承ください。
私の学生ビザと滞在許可証は7月31日で切れるものだったので、18日の出国前に手続きを完了させて仮の滞在許可証であるレセピセを受け取らなければいけませんでした。期限が切れても更新手続きの予約を取っていれば多少は滞在できるようですが、一度出国してしまうと再入国する際に観光ビザとなってしまい、滞在許可証の申請ができなくなります。
まず始めに、イヴリヌ県庁のホームページから滞在許可証更新手続きのランデブー(RDV)予約を行うのですが、ここからしてまず大問題。県庁の説明書きには期限が切れる日の2か月前から手続きができると当時書いてあり(改めて見てみるとこれは6月28日に改定されたようで、現在では4か月前からと書かれています)、インターネット上の様々なフランスの滞在許可証更新に関する日本の方の記述では3か月前から予約という記述が多かったのでRDVの1か月前から予約ができるのかなと思っていたのですが、いざ4月に予約画面で予約を進めてみると、なんと予約表が4か月先まで開放されていて7月分は既に埋まっているではありませんか…。年明けにでも予約の一歩手前の段階まで進んでみるべきでした。一時帰国の航空券はもう買ってあるし、8月に出演する日本の演奏会も決まっているので帰国しないわけにもいきません。絶体絶命。
その日からキャンセルが出たら逃さず押さえると息巻いて(笑)、こまめに予約サイトにアクセスすること約一か月、あと一息のところで他の人に取られるということもありましたが、やがて予約手続きの入力もプロ並みになってきて(何のプロ?)、無事に帰国当日の7月18日の予約を勝ち取ることに成功。いやいや、危ない橋を渡るのはやめましょう。
RDVの予約画面に必要な書類リストが掲載されていたので、これに従って書類の準備を進めることができました。以下に必要書類と説明書きの意訳、準備に際してのコメントを掲載します。

滞在許可証の更新に必要な書類の一覧(学生用)
以下の書類全ての原本、コピーを手続き当日に提出すること。注意、全ての書類が完全でなければ申請は却下とする。
①滞在許可証
②身分と国籍に関する証明書:パスポート、国籍身分証など…
→など…と曖昧に記述されているので少し不安が残りました。出生証明書(戸籍謄本の翻訳書類)が必要との話もあったので一応持っていきましたが、提出はパスポートのみでその他は要求されませんでした。
③結婚している、子供がいる場合
・配偶者の滞在許可証
・3か月以内の結婚証明書
・子供の出生証明書
→私は該当しないので必要ありません。
④証明写真3枚
→あれはダメ、これはダメといろいろな注意書きがありますが、証明写真機で見本通りしっかり撮れば問題ないと思います。ちなみに1枚は使わなかったようで返却されました。
⑤3か月以内の住居の証明書(家賃支払い書、賃貸契約書、電気、ガス、電話、インターネットの請求書など…)
→フランスには日本の住民票に相当するものがないので、その住所に居住していることを証明するためにこのような書類が1つ必要です。私はいつも電気の請求書を提出しています。
⑥来年度の学校登録証明書
⑦今年度の成績表
→更新手続きがあまりに早すぎると学期途中では最終的な成績表が出ないので、結果的には遅い時期で良かったです。
⑧今年度の精勤証明書
→授業の出席率に関する書類です。
⑨来年度有効な保険加入証明書
・28歳未満の場合は総合社会保険(セキュリテ・ソシアル)への加入
・28歳以上の場合は任意保険への加入
→実はこれが第二の問題でした。通常この総合社会保険はフランスに入国したらすぐに加入するべきなのですが、外国人向けの登録サイトがいつ見ても文字化けしていて登録できず、そのうちどうでも良くなって今年の4月まで放置していたのです。やがてサイトの言語選択のタブのいずれかを選択をすることにより文字化けは解消することが分かり、滞在許可証更新に必要なことから慌てて登録手続きを始めたのですが、今度は登録していないはずなのになぜか加入番号が割り当てられているという謎の事態に直面し、結局ヴェルサイユの総合社会保険オフィスに数回出向きました。手続きはすべて完了したものの7月になるまで加入証明書が郵送されて来ず、更新手続き当日に間に合わないのではないかと悶々とした数週間を過ごす羽目になりました。フランスの手続きは何でも早めに余裕を見て、危ない橋を渡るのはやめましょう(2回目)。
⑩財源に関する証明書
・1か月あたり615€以上の留学資金があることを証明できるフランスの銀行の残高証明書、または過去1年間で10回以上送金された旨の証明書
→いつも使っているLCL銀行口座の残高を少し余裕を見て増やしておき残高証明書を用意しました。1ヶ月以内のものでないと受理されないケースがあるようなので、なるべく直近のものが良いと思います。
・被扶養者の場合:被扶養証明書、扶養している人の身分証のコピー、扶養している人の仕事の契約書と過去1年分の給与明細
→私は現在両親から経済支援を受けているのでこれに該当すると言えば該当するのですが、それぞれの書類を翻訳する手間や費用がかかることから、上述の留学資金は自分の貯金であるという建前を取っておきました。これは分かりようがないので大丈夫なはずです。
・奨学金を受けている場合はその証明書
・就業している場合はその契約書と給与明細
→短期のオーケストラプロジェクトなどは参加しましたが、これは該当しないと思います。
⑪記入、サイン済みの質問表
→質問表はRDVの予約画面で入手できます。

さて当日、いつもモノプリに行く際に前を通っている県庁に赴きました。初めて入るので迷うかもしれないと思い、RDVよりも20分ほど早めに着きました。
地上階には入口付近に写真機やコピー機、中央付近に2つの質問窓口のような区画、右奥に手続きのための個別窓口が20程度あったように記憶しています。RDVの予約サイトでは窓口を3つの中から選んだので、外国人のための滞在許可証更新手続き窓口が別に3つ用意されているイメージだったのですが、どうもそれらしいものが見当たりません。入口付近のマダムに予約時間が書かれた紙を見せながら聞いてみると、日本の役所のように予約番号を発券する機械を操作してくれて予約番号の紙を渡され、奥の沢山ある窓口の前で待つように言われました。まだ予約時間の15分ほど前でしたが、数分経つとすぐに呼ばれました。こういう仕組みなのですね、言われなければ分からない!
手続きが始まると、担当のマダムに言われるがまま書類のコピーを淡々と提出していきました。パスポート以外の書類の原本については全く触れられませんでした。必要書類リストの順番通りに準備して行ったのですが、実際に提出する順番は異なっていて書類の束を前後しながら探さなければなりませんでした。県庁や担当者によって違うのかもしれませんが、こういうやり方なら複数ページのあるクリアフォルダーに予め入れておけばスムーズだったなと思いました。
最後に念願のレセピセを受け取り、あっという間に終了。優しいマダムで良かったです。
初回なので緊張気味でしたが、書類さえしっかり揃えて行けば全然問題のない手続きでした。来年以降も書類の不備のないよう気を付けたいなと思います。

今回は滞在許可証更新についてお伝えしました。次回は留学一年目の総まとめを書きたいと思います。

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