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サン=ルイ地区

24 10月 2018

サン=ルイ大聖堂の正面ファサード

今回は私の住む地区のランドマーク、サン=ルイ大聖堂の前からお送りします。
このサン=ルイ地区はヴェルサイユ宮殿から見て右に位置する旧市街で、左のノートルダム地区と共に旧体制時代の面影を色濃く残す風情豊かな街です。サン=ルイ大聖堂はルイ15世の時代に建てられたので太陽王ルイ14世の時代にはありませんでしたが、革命前夜も三部会開催を宣誓するミサがルイ16世臨席のもと行われたりして、激動の時代を生き抜いてきました。今では特に何もない日は只々市民に開放されるのみで、時たま行ってみるとほぼ誰もいない巨大な空間の中で歴史に思いを馳せたりできるものです。ちなみに大聖堂前の広場ではマルシェが開かれるそうです。そういえば行ったことない…。
この他サン=ルイ地区にはフランス革命の事件として有名な「球戯場の誓い」が行われた球戯場、今でも野菜や果物を収穫できる王の菜園、菜園の排水用に作られた(それにしてはやけに巨大…)スイスの池があります。これは主に国王護衛の任につくスイス人衛兵隊が工事にあたったことからその名がついていて、ただの広大な池なのですが周りには林もあって今ではピクニックや天体観測にぴったりです。

さて、先週末はヴェルサイユ宮殿の王室礼拝堂でヴェルサイユバロック音楽研究センター演奏の、リュリのテ・デウムを聴きに行ってきました。留学中の身、他にもたくさん行きたい演奏会があるので一番安いチケットを買いました。どんな席かなと思ったら祭壇のすぐそば、側廊の下で斜め横から見上げるような形。演奏会として聴くならもちろん中央の少し遠い位置の方が良いのでしょうが、どのような演奏をしているかを見聞きするためにはあまり残響で音が回らないこの位置もまた良いかも知れません。トランペットやオーボエといった華やかな楽器は階上に配置されていたようでよく見えなかったのですが、響きは華麗で荘厳。それと太鼓(ティンパニでない音程が一定のもの)の使い方が斬新で勉強になりました。後半はザルツブルクの作曲家ビーバーのミサ曲。これがもう、眩いばかりの豪華さ!コルネット、トロンボーンも加わりほぼ全曲にわたって金管楽器が鳴っているような印象でした。ふう、お腹一杯。
10月からようやく始まった音楽院の授業ですが、なんと今週からいきなり2週間のバカンスに突入してしまいました。いやはや何という緩さ。11月にはクープランを特集する演奏会が予定されていて、それに向けた室内楽のリハーサルも11月から再開です。っていうか11月からで良かったんじゃないかね。
そんなわけで、この2週間は9月と同様ヴァイオリンの練習と語学学校に通う日々になります。来週に旅行を予定していますが、それはまた後ほど。

最後に前回書いた、なぜこのブログは水曜日更新なのかということをお話ししましょう。水曜日はフランス語でMercredi、つまりメルキュールの日という意味です(これは古代ローマ由来です)。メルキュールとはローマ神話に出てくる最高神ジュピテルの伝令使で、フランス・オペラではジュピテルの周りでちょろちょろと駆け回るお調子者として描かれることが多いのですが、とにかくこのメルキュールには伝令の役割があるのです。17世紀末から発刊された文芸雑誌「メルキュール・ド・フランス」もその名を借りているように、このブログもフランスから日本への便りということで、この伝令使メルキュールに引っ掛けてみることにしたわけです。

今回はこの辺りで。次回はお買い物事情をお話しします。


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